こんにちは。大学も対面での授業が再開され、キャンパスが賑やかになってきました。さて今回は「鳥栖未来計画 視察~大分編~」です。3月24日・25日に実施した、本計画における先行モデル都市視察の報告記事です。私たちが先行モデル都市視察を通して発見したこと、感じたことをまとめましたのでぜひご覧ください。
1|鳥栖未来計画とは?
鳥栖未来計画とは弊チームが鳥栖市議会自民党鳥和会の依頼により実施する「鳥栖市中心市街地のまちづくりに関する調査及び包括的な提案」です。弊チームではこのプロジェクトを「鳥栖未来計画」と名付け、9月末の最終提案に向けて企画を進めています。詳しくは下のバナーをクリックしてご覧ください。※弊チームのホームページに移動します。
2|大分はこんなまち!
大分市は九州東部に位置し、九州東部の鉄道輸送における重要な拠点となっています。また市街地のグリッド(方格状の道割り)が古くより残っており、市街地を分断する形で鉄道が敷設されている点において鳥栖市と状況が似ています。
3|大分駅について
大分駅の1日の乗降客数は1万8000人で、九州第4位のターミナル駅です。大分駅には日豊本線、豊肥本線、久大本線が乗り入れており九州東部におけるターミナル駅としての役割を果たしています。現在の駅舎は2015年に行われた連続立体交差事業に伴い、建てられてた駅であり駅舎に隣接して駅ビル商業施設が建っています。大分市内や別府市へは北口のバスロータリーからバスを使ってアクセスすることができます。
4|大分駅前の様子
大分市内での視察ではまず、大分駅前の再開発状況を調べました。大分駅南口には電光掲示板が設置されている巨大なロータリーがあり、利用者はバスの行き先や接近情報を確認、大分各地へ向かうバスへ乗車することができます。また北口には駅前広場として利用可能な屋根付きの空間がありました。
5|中心市街地のようす
次に大分駅南口から約1キロの範囲に渡って広がる大分市中心市街地のフィールドワークを実施しました。駅前から商店街までは地下通路や屋根付きの通路を通ってアクセスすることができ、雨の日でも心配なく出かけることができます。大分駅に直結する大分市内の主要商店街は2015年の大分駅再整備に伴い、大幅なリニューアルが行われました。また商店街に入居するテナントがチェーン店よりも地場の個人商店の方が多かったことが印象的でした。
商店街の脇道はいたるところに「コミュニティ道路」が整備されていました。コミュニティ道路とは車と歩行者の共存を図る目的で考案された道路で、車がスピードを出せないよう車線を曲線化したり、歩行者スペースを広めに確保したり、電線の地中化、ストリートファニチャーの整備などがなされています。実際に今回視察した大分市のコミュニティ道路も歩行者が滞留しやすいような工夫がなされており、時間帯によって歩行者天国に切り替わるシステムを採用していました。コミュニティ道路は今後、私たちがウォーカブルシティやコンパクトシティについて考えていくにあたって参考となる事例だと感じました。
また大分市中心市街地は市の条例により指定喫煙所以外での喫煙が禁止されており、違反した場合には罰則が課されます。中心市街地には写真のような指定喫煙所が設けられていました。飲食店や公共空間での禁煙、分煙が進む中で先駆的な事例であると思いました。
6|感想
大分市は大分駅を起点として南側約1キロ圏内に都市機能が集約されており、コンパクトシティとしての魅力を感じました。またポイ捨て禁止条例の制定やコミュニティ道路の設置など歩行者が安心して回遊できるような都市づくりが行われている点も印象的でした。コンパクトシティとしての魅力を感じる一方で、標識へのユニバーサルデザインの採用やバリアフリー設備の強化など、高齢者や障がい者を含めた全ての人が安心して暮らせるまちづくりが大分市の課題であると感じました。大分市の視察で得た知見を鳥栖未来計画への提案に盛り込んでいきたいと思います。
※本記事の執筆において参考とした資料は下記のバナーをリンクすることでご覧いただけます。最後までご一読いただきありがとうございました。
記事執筆:坂田 万美(Make-Sense メンバー)
Make-Senseとは?
佐賀を拠点に活動する学生プロジェクト&デザインチームです。佐賀大学芸術地域デザイン学部の学生が中心となって活動しています。佐賀を拠点にイルミネーションデザインから都市計画の提案プロジェクトまで幅広い分野で活動しています。詳しくは弊チーム公式ホームページをご覧ください。
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